増加しつつある紹介予定派遣

派遣社員として働く人が多くなった今日、注目されているのが紹介予定派遣。これは、どういったシステムかというと、派遣先の企業の社員になることを前提とした派遣です。派遣契約の期日が終了する前に、企業側と当人双方が合意すれば派遣社員はその企業の『社員』になります。
通常の派遣契約にも、社員として雇用される場合もありますが社員に雇用されるまでの期日が長いことや、途中で契約が打ち切られることがあることから、通常の契約よりも安定感があるといえるでしょう。
紹介予定派遣のメリットは、自分で一から仕事先を探して直接企業に面接に行くのではなく派遣会社を通して仕事先を探せるということ。求人に対しての応募も全て担ってくれます。実際、自分1人で一つの企業に入社するまで、予想以上に労力と時間を要しますがそういったことも省けるので就職時のストレスも軽減されます。
一番のメリットは企業に雇用される前に実際に働いてみて社員になるかどうかを選択できるので、仕事内容や会社の雰囲気、その仕事が自分に合っているかどうかなどが入社前にわかることだと思います。最初から企業に雇用された場合はまずそういったことは有り得ないので、入社したもの、内容も自分に合っていなかったり求人内容に不備があった場合でもなかなか辞めることができません。これこそ紹介予定派遣の醍醐味といっても良いのではないでしょうか。

気軽にできる派遣の登録

派遣会社によって登録の仕方もさまざまです。履歴書が必要な会社もあれば、いらない会社もありますし、スーツでの登録が一般的な会社もあれば、私服での登録が一般的な会社もあります。
ほとんどの派遣会社で実施されるのは登録用紙への記入・スキルチェック・口頭での派遣会社の説明・映像での説明などです。履歴書持参の会社でも登録用紙や職務経歴書の記入が必ずあります。登録用紙一つにしても、職務経歴書やスキルアンケートを事細かく記入する会社、簡単なプロフィールと簡単な職務経歴書の記入で登録できる会社とさまざまです。
持参するものでは印鑑が必要な派遣会社が多いです。派遣の契約内容の承諾の際、署名と印鑑が必要になります。派遣会社によっては面接時の交通費を支給してもらえたり、登録キャンペーンなどでいくらか支給してもらえる場合もあるので、支給の際の書類に印鑑が必要なこともあります。
登録用紙やアンケートへの記入後は、口頭と映像で派遣会社の説明を受けます。口頭ではまず、説明書類や冊子を見ながら詳しい説明を受けます。派遣先と登録者と派遣会社の関係から、給料の支払い・タイムカードの記入の仕方などの説明です。その他、集団で同じ企業に派遣される場合はリーダーの説明や点呼、出社退社時の連絡、集合時間などの説明もあります。
禁止事項なども説明されるので、面倒かもしれませんがきちんと聞いておかないと大変なことになりかねません。特に個人情報保護法が厳しくなった現在、そういった書類を扱う企業に派遣された場合細心の注意が必要です。取り扱いの説明もされるので気をつけましょう。
口頭での説明が終わると、復習も兼ねてわかりやすく映像化されているビデオやDVDを見ます。再現ドラマ形式になっている説明ビデオもあるので、口頭や冊子での説明でわからないことがあっても映像を見ればわかることがほとんどです。でも、それでもわからないことがあればきちんと質問しましょう。
説明の後はパソコンを使用してスキルチェックを行う会社も多いです。タイピングの速度やワードで文書作成ができるかなどテストします。派遣先が主に作業系(工場など)の場合は、このスキルチャックは実施しないこともありますが、工場の中でも何ができるかできないか、どういう種類の工場を希望しているかなどのアンケートは必ずあります。
登録作業が全て終了すると、簡単な面接を行いながら即日に派遣先を決め、応募することもあります。もちろん自分に合った企業が無かった場合は後日になります。一度登録すれば、希望していた内容の企業から依頼があった場合、派遣会社から応募するかしないかなどの連絡があります。
登録している限りその連絡があるので、もし他の企業に就職した場合や仕事ができる状態ではない時はこちらからきちんと連絡することをオススメします。

パート型派遣

派遣はフルタイム勤務ばかりだと思っている方も少なくありません。実際、企業から派遣会社へフルタイムの依頼は半数以上です。そんな中、主婦向けで6時間程度での依頼も段々と増えてきています。あえて、主婦向けと書いたのは、お子さんの参観日などを考慮してくれる企業も増えたからです。
残念ながらそうではない企業もありますが、パートの条件で派遣会社に依頼をしている企業はそういったことを配慮してくれるところが多いそうです。もちろん、フルタイムの場合でも配慮してくれる企業もあるので安心してください。
主婦の方や小さいお子さんがいる方は残業のことも気になると思います。派遣会社への登録の際、残業不可や週にどのくらいの日数働きたいか、一日どのくらい働けるか、また、扶養の範囲内で働きたい場合など希望を伝えることもできます。
ただ、派遣での時給は企業に直接雇用された場合の時給より高めに設定されていることが多いです。ということは、企業にパートで雇用された人は一日6時間働いても扶養内の年収を越えるか越えないかの年収ですが、派遣会社からパート社員として働く場合、同じ時間働いても扶養内を大幅に越えてしまうことも有り得ます。
パート型派遣が増えてきたことで、お子さんがいる主婦の方もだいぶ働きやすくなったと思います。自分で直接企業に応募する場合は面接に行って初めて詳細を知ることになりますが、派遣会社から紹介されたり、お仕事の検索をした場合は、その時点で詳しい内容を知ることができます。
残念なことに1人1人に任される業務や代わりの人がいない少人数の企業では、お子さんがいる方を雇用することは少ないです。なぜならお子さんの急な病気で休む場合に対応できないからです。そういったことも派遣会社からの紹介であれば企業のそういった情報を知ることができるので、ほとんどの方が最初から自分に合った企業を選択することができます。
派遣会社によってはすぐに紹介、応募してもらえる会社もあり、見学後、本人がその企業でのお仕事が可能であれば即日勤務できる場合もあります。要領良くパート探しができるので焦る必要もありません。
これからパート勤務をしようと考えている方は一度派遣に登録してみてはいかがでしょうか。

単発・日雇い派遣で稼ぐ

派遣で働く方の内長期契約または期間限定契約で働く方が多いですが、もっと気軽に働ける契約・制度があります。それは日雇い派遣(単発・スポット)です。給料の支払いは日払いが主ですが、週払いやまとめて払われることもあります。支払い方法を選ぶことができる派遣会社もあります。
この単発や日雇いでの仕事では、チラシ配布・サンプル配布・イベントスタッフ・搬入・オープニングスタッフ・食品工場などが代表的です。比較的簡単な仕事内容ですが、体力を要する内容が多いです。
基本的に派遣会社から会員に向けて仕事の依頼があります。そのため、あらかじめ仕事できる時間や日にちなどを会員専用のサイトへ知らせておく必要があります。出勤できる日の予約はもちろんですが、休みも取ることができます。
休みにしておけば依頼の連絡がくることはありません。ただ、出勤できる日を予約していてもあくまで単発なので仕事の依頼が無い場合も稀にあるので必ずその日に働くことができるという保証はありません。
そういったデメリットはあるものの、単発・日雇い派遣を利用する人は多いです。例えば就職活動中などには便利かもしれません。就職活動中でも生活はしていかなければならないので、どうしても生活費は必要になります。
そんな時に面接の予定のない日時に合わせて、出勤予約をしておけば働くことも可能です。日勤だけではなく、夜勤のお仕事もあるので昼間は面接、夜は仕事、というようにうまく活用している方も多いようです。
その他、企業にアルバイトやパートとして雇用されている方でも休みの多い方などは活用している人も少なくありません。本業のシフトに合わせて単発の仕事を受けるといった具合です。
お金が無いから、便利だから、といって休み無しで働くのは労働基準にも違反しかねないのでやめておいた方が良いでしょう。法律を守り、正しく活用すれば本当に便利な派遣契約だと思います。

派遣社員の求人・募集広告

近年、全国的に人材派遣業を利用する人や企業が増えてきました。派遣会社も増加の一途をたどっています。利用する人の増加によりプラスのイメージの反面、マイナスのイメージも増えています。
一番問題になっているのは、求人・募集の際の誤解を招くような宣伝広告です。月収例について『○○万円以上可能』という求人広告をよく目にしますが、それだけを鵜呑みにしていては危険です。派遣会社はとにかく人材が多く欲しいのです。
月収例と共に、時給や日給も記載されていると思います。そして、勤務時間についても当然記載していますが、その勤務時間と時給では月収例の給料にならないことが多いです。
月収例の多くは、夜勤や夜勤専属、時間外労働や休日出勤の手当てが可能な限り全て加算された給料になっています。日勤のみで残業もせず、休日出勤もしない場合は、例え月収例が30万以上可能と記載されていても、実際は20万以下ということも少なくありません。
ところが、残業や休日出勤はけして約束されたものではありませんし、毎月あるものでもありません。大手の人材派遣会社でも登録説明会などでそういったことをきちんと説明しない場合もあります。が、記載してある勤務時間と時給を計算すれば、説明がなくても登録者側や応募者側で理解していく力が必要になります。
特に、工場系の人材募集には注意しなければなりません。オフィス系では月収例で記載されることは少なく、ほとんどが時給で記載されており、誤解を招くようなことも少ないです。
工場系は夜勤などもあり、季節などによって忙しいこともあったり、そうでなかったりするので、作業が一定でないことも多いです。
それから、県外に派遣登録した場合は入寮する方も多いのではないでしょうか。比較的賃貸料は安いところが多いですが、それも給料から当然引かれることになるので、月収例以下になることは決定的です。
大げさで詳細な記載をしていない人材求人広告があれば必ず説明会で詳しい内容を確かめましょう。一時この月収例の記載が大問題になりました。その後、詳細内容の記載がされている会社が多くなりました。しかし、それだけではなく、登録者や応募者本人が注意を払う必要があります。